※肩書き・配属先は取材当時のものです
現在はどんなお仕事を
されていますか?
- 廣野
- 日配(毎日店舗に配送される食品)のバイヤーで主に和デイリー(和食的な日配品、豆腐や納豆など)を担当しています。
定番や特売商品の選定、メーカー様との商談、担当部門の数値検証・改善対策などを行っています。
- 佐々木
- 新入社員の研修が終わり、現在はタクト店の青果部門に配属となりました。
主に果物の発注や売場づくりを任せてもらっています。
曜日ごとの売れる動向を考えながら発注と売場づくりをしていまして、やりがいを感じてきているところです。

現在までにお二人に
接点はありますか?
- 廣野
- 研修の時に、少し話したよね。
- 佐々木
- はい、ご挨拶させて頂きました。今日はバイヤーを務める大先輩との対談の機会を頂き、今とても緊張しています。
- 一堂笑い。
- 佐々木
- なかなか会ってお話させて頂く機会もないので。バイヤーという仕事について、いろいろと質問させて下さい。
- 廣野
- バイヤーの仕事と言えば、仕入れる商品や広告掲載商品の選定はもちろん、陳列箇所や販売形態まで決めることです。
卸様やメーカー様との商談により、原価、売価の設定など全ての業務内容が売り上げ・利益に結びつきます。それだけに緊張感とやりがいのある仕事です。
自分で選び、その商品がお客様に支持され、購入していただけると何事にも代えがたい喜びがあります。

- 佐々木
- 自分はまだお店単位というか、1つの店舗の中での仕事ですが、全体を俯瞰した立場ということですね。
- 廣野
- そうですね。
売場での仕事と共通点もあると思いますが、自分が美味しいと思った商品やお客様が喜んでくれる商品をお店でも発注するでしょう?
それを全店規模でやっているのが私たちバイヤーの仕事になります。
- 佐々木
- 私は実家が農業をしていることもあり、ゆくゆくは生産者様と一緒に商品開発をしたり、徳島の美味しいものを県内外に発信していきたいと思ってキョーエイに応募しました。
- 廣野
- そういう商品開発、徳島の魅力発信もバイヤーの仕事です。
ではバイヤーを目指しているの?

- 佐々木
- はい。
青果のバイヤーを目指しています。
- 廣野
- 青果? 日配じゃなくて?
- 一同笑い。
- 廣野
- まあね、日配も青果も扱う商品に違いはあっても、共通している部分もあります。
私たちバイヤーの仕事はきついこともあります。売れなかった時は苦しい。
実際には思ったように売れないことの方が多いかもしれない。けど、そこをどうやって売るのか、売れないときにいかに売れるようにアイデアを絞り出すのか。そこにやりがいもあります。
魅力的なPOPを付ける、試食販売をしてみる、関連商品と並べて訴求してみる、いろいろなやり方があって、決まりきった正解はないです。

- 佐々木
- 日々現場に立つ中で、何かアドバイスをいただけますか?
- 廣野
- 失敗はした方がいい。
失敗を恐れて消極的になるよりも、失敗から学んで同じ失敗を繰り返さないよう改善して仕事のレベルアップを出来るようにすることが大事です。
ところで失敗したことはありますか?
- 佐々木
- 研修期間中の話ですが、週末から猛暑日になる予報だったので冷やし中華を売り込もうと思って強めに発注しました。
もちろん店長にも許可をもらって、チャレンジはどんどんやってみろと背中も押してくれたんです。
けど、その週末はまさかの雨で発注した数量の半分くらいしか売れませんでした。
店長が他店に連絡して商品を引き取ってもらったり、マイク放送での売り込みの仕方なども教えてくれてなんとか売り切ることができました。
- 廣野
- あの冷やし中華の件ね(笑)。
なかなかいい経験したね。
適当に発注して残ってしまった商品を、安易に値段を下げて販売するのは論外だけど、ちゃんと販売計画を立てて、売り切るための努力をすることができれば、たくさん学べることはあるよね。
その調子でトライ&エラーを繰り返すことが一番成長につながるはずだよ。

- 佐々木
- 自分ができることのキャパシティを広げていくにはどうしたらいいでしょう?
- 廣野
- やっぱりチャレンジすることでしょうか。
いろんなことを試すことです。仕事に完全な正解はないので、たまたま上手くいったとしてもそれが毎回必ずしも正解ではなく、結果を分析してまた試しての繰り返しです。
今は多くのデータがあるけど、データだけではわからないこと、例えば天候や季候の影響等さまざまな要因の中で自分の仕事を成功に導くために考えて、チャレンジして、仮に失敗してもそれを活かすことが大切です。
すると少しずつ出来ることや考えが広がっていく。
- 佐々木
- 廣野さんも現場の経験が今の仕事に活きていますか?
- 廣野
- 現場での経験で役に立っていると思うのは、やっぱり店頭で聞いたお客様の生の声かな。
この時期にこんな商品がほしい、旬の商品がまだ入荷していない等、お店にいるとたくさんのご要望やご意見を頂戴します。
いただいたお客様の声を思い返しながら仕入れをしていますよ。お店でしかお客様の生の声を聞くことができないから、本当に現場の経験は貴重です。
それと、自分で計画して発注した商品がすごく売れたことで、売ることの楽しさを学んだことも現在の仕事にも活かされていますね。
あとは、店長時代に学んだ、人を動かす影響力です。これはバイヤーにも必要なこと。
単なる指示だけでは人は動かない。情熱や熱量も伝わるようにして、仕事をお願いするように意識しています。とにかくたくさんの経験がいまも活きています。
ところで、佐々木君は生産者様と商品を開発して、徳島の魅力を発信したいんだよね?
- 佐々木
- はい。そういう仕事をしたいです。

- 廣野
- 商品開発もバイヤーの仕事で、メーカー様と協力して美味しい商品を作ったりもするけれども、美味しいだけじゃもちろんダメで価格の交渉もあります。
結局はお客様、お取引先様、私たち(キョーエイ)が三方よしじゃないと関係は長続きしない。
- 佐々木
- 人と人の関係、人間関係が大切ですよね。
- 廣野
- お客様、お取引先様、働く私たち、みんな人間なので、最後は人間関係に行き着くよ。
- 佐々木
- 今日お話をさせてもらって、失敗を恐れずチャレンジしながら、できることを拡げて行きたいなと感じました。

- 廣野
- 今はできないことがあっても当たり前。基本を大事に頑張ってください。基本なくして応用なし。基本というのは、まず挨拶、掃除、そして商品を覚えること。お客様が不便なく当たり前のように買い物を喜んで楽しんでいただけるような環境づくりのことね。
品切れ防止も基本です。ホイコーロー作りたいのにキャベツがないと困るでしょう? 白菜で八宝菜をどうぞ、というわけにもいかない。
そういう提案は大事だけどね。
イチローさんも大谷翔平選手も、基本ができているからこそスーパープレーにつながるのだと思います。
基本を大切に、できることをどんどん拡げていって欲しいです。
- 佐々木
- はい。がんばります!
- 廣野
- 「売れる」と「売る」は違います。例えば今の旬、イチゴだったら、どういう風に仕入れて、どんなポップPOPを付けてどうやって売っていくのかを考えながら工夫を続けることです。結果を分析して、売場で品切れやロスが無いように発注することが大事。
また果物はどんどん食べないと(試食しないと)味や食感がわからないですよ。
お客様から尋ねられたときに、きちんと答えられるようにすることも大事です。甘い、酸っぱい、堅い、柔らかい、こういうのが美味しいですよと、きちんと伝えることができるようになるのも基本。
旬の始まりや旬の終わりなど、ちゃんと味を知っておくのも大事。でも忙しい時に食べたらダメよ。ちゃんと時と場合を考えてね。
- 一同笑い。

- 廣野
- 目で見て、手で触れて、食べて覚える。現場で学べることはたくさんありますよ。
- 佐々木
- 自分にはまだ充分な商品知識がないと思います。商品知識がないとお客様が当たり前に買い物していただける売場作りができないですよね。
基本を大切にしつつ、少しずつできることを拡げていきたいと思っています。
